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主治医の意見書

公開日: : 最終更新日:2019/10/27 要介護認定をうけるまで

主治医との相談

主治医の意見書とは

介護保険での認定にはふたつの調査書が必要になります。

ひとつは認定調査員が自宅等に訪問して行う認定調査の調査票です。認定調査員が自宅を訪問して調査した内容はコンピューター入力され、介護に必要な手間を時間に換算して算出し、一次判定というデータを出します。

そして、介護保険の認定に必要な書類のもうひとつは主治医の先生が書く主治医意見書というものです。

この書類には、本人の持つ疾病であったり、今後起こりうるリスクなどについて、主治医の視点から記載をする書類になっています。

主治医意見書はどのように動くのか

書類は自治体の介護保険担当課から、直接主治医の医療機関へ送付され、それに主治医が記載したら、また介護保険担当課に返送されることになります。

もしくは、郵送でご自宅に送付され、本人もしくは家族が受診の際に医療機関に渡すという形をとる自治体もあります。

このあたりの取り扱いのルールに関しては自治体によって異なりますので、介護認定を申請した際に確認しておくことをお勧めします。

主治医意見書には何が書いてあるのか?

つまり、本人や家族がこの主治医の意見書に直接目を通すことはありません。
(自治体に請求することで閲覧することが出来る場合があります=自治体により異なります)

記載されている主な内容は、疾患名・病歴や、食事や移動ができているか、また転倒などのリスクがあるかどうか、など多岐にわたります。自由記載欄として、特記事項などもあります。普段飲んでいる薬の内容について記載している医師もいます。

非常にデリケートな情報が記載されていることもあります。

例えば、本人未告知のがんが認められている場合などもこの意見書には記載されています。そのため、取り扱いは慎重に行われ、主治医が記載したものに関しては直接区役所に送付されますので、家族でも見ることはできません。

担当のケアマネジャーが役所に請求をして意見書の内容を確認することはできますが、意見書の複写も禁止されています。

主治医が誰かわからない

また、何をもって主治医というかはなかなか難しいかと思います。

健康状態が悪化したり、年齢を重ねるに伴って、複数科や複数医療機関に通うことも多くなります。高血圧で循環器科に、膝痛で整形外科に、といった複数の医療機関にかかっているケースも多いですよね。

一番通院頻度が多かったり、一番本人が生活に支障を感じている担当科の先生に、 意見書を書いてもらうことをお勧めします

大学病院の先生が書いてくれた意見書だから介護度は重く判定されるはず、とか、この先生は医師会の会長をしているから介護度は高くなるはず、とかそういった忖度じみたことはありません。

どうやってお願いしたらいいの?

基本的には介護認定の申請をする前に、主治医の意見書をお願いしてもいいかを医師に直接確認することをお勧めします。普段通院している主治医の先生であれば快く受けてくれると思います。

身長や体重などの記載項目があるので、診察の際に身長や体重の測定を行うこともあります。

医師が書く書類なので、役所から医療機関宛に報酬が発生しますが、意見書に関しては診断書や紹介状とは違って自己負担はありません。

介護度が重くなるように書いてください」と医師にお願いする人も多いようですが、もちろん嘘を書くことはできないですし、あくまで医師が診察をしている医療情報なので細工をすることはできません。

ただ、早く介護サービスを利用したい場合は、できるだけ早めに書いてもらいたいことは相談してみてもいいと思います。筆の遅い先生も時々いらっしゃいますので。

介護度の判定にどのくらい影響するの?

ただ、意見書に更新のたびに去年と同じ内容を毎回コピペする医師や、書類を書いて送るのにやたら時間がかかったりする医師もいます。

基本的には、聞き取り調査である認定調査員による調査の方が介護認定における比重は大きいことは間違いありません
ただ、医師の意見書がなければ認定が出ませんし、認定審査会においても重要な資料になることは間違いありません。時々、ミミズみたいな手書き文字で読めないような意見書を書いてくる医師もいますが、それでも役所の担当者は解読できているそうです。

この後は介護保険の認定が届くのを待つことになります。

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